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フレイル予防のための栄養のカギ「共食と孤食」

2024.01.13

こしょくとは

「こしょく」という言葉を聞かれたことはありますか?
「こ」に当てはめる漢字によって 意味はいろいろあります。

「孤食」
家族がいる・いないに関わらず1人で食事を食べることを言います。

「個食」
家族そろって食事を食べているのに、それぞれが別々のものを食べていることを言います。

「固食」
同じものばかり食べることを言います。

他にも「粉食」(パンや麺など粉を使った主食ばかり食べる)、「子(少)食」(少しの量しか食べない)「濃食」(味付けの濃いものばかり食べる)といった「こしょく」もあり、いずれも良くない食習慣と考えられています。

孤食がもたらすリスク

「こしょく」の中でも 特に問題視されているのが「弧食」です。

孤食が増えている背景には、家族の形や生活スタイル、食環境の多様化など、さまざまあると言われています。
農林水産省が実施した「一人で食べる頻度」についての調査(※)では、「1日の全ての食事を一人で食べることがあるか」という問いに、「ほとんど毎日」と回答した人の割合は13.7%。性別・年齢別でみると、最も割合が高かったのは70歳以上の女性で27.6%でした(70歳以上の男性は15.1%)。
※令和2年3月「食育に関する意識調査報告書」より引用。

このことから 「孤食」が増えた理由の一つに、一人暮らしの高齢者の増加があると言えるでしょう。
下の図の調査でも、65歳以上の世帯の約半分が一人暮らしということが明らかになっています。

※厚生労働省2022年国民生活基礎調査の概要
  世帯数と世帯人員の状況より一部引用

孤食が続くと、好きなものや準備に手間がかからないものばかり食べて栄養が偏ったり、周りの人の目がないために行儀も悪くなってしまうことがあります。
また 食事の楽しみが減って美味しさも感じられにくくなり、食事の量や回数まで減ってしまう場合があります。

ある調査では、食事を抜く回数が多い、野菜や果物の摂取が少ない、低体重の方が多いなど、体にとって良くない結果も報告されています。

このような健康にも悪影響をもたらす「孤食」を減らす対策として 求められているのが「共食」です。

共食とは

農林水産省が発表している食育推進基本計画では、「共食(きょうしょく)」とは「みんなと一緒に食卓を囲んで共に食べる事」と定義されています。

近年では、同じ食卓を囲んでいなくても、オンラインなどで顔を見ながら一緒に食事をすることも「共食」と呼ばれています。

共食のメリット

農林水産省が公開している研究結果から、「共食」によるメリットをご紹介します。

≪共食が多い人や孤食が少ない人とそうでない人と比較して…≫
1.成人や高齢者を対象とした研究では、ストレスがなかったり、自分が健康だと感じていることが報告されています。
また、孤食が多い高齢者は、うつ傾向の者が多いことも報告されています。

2.中学生や高齢者を対象とした研究では、多様な食品を食べていることが報告されており、健康な食生活と関係があります。

3.小学生から高齢者までを対象とした研究では、朝食の欠食が少ないことが報告されており、規則正しい食生活と関係があります。

4.起床時間は就寝時間が早いと報告されており、生活リズムと関係があると考えられています。

※農林水産省『「食育」ってどんないいことがあるの?』より
「共食をするとどんないいことがあるの?」より一部抜粋
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/evidence/index.html

このような結果から、体や心の健康維持増進には、「何を食べるか」も重要ですが、「誰とどのように食べるか」も大切な要素だということが分かります。

家庭で共食の時間を持つことが難しい方は、地域食堂や高齢者サロンといった場に参加して できるだけ共食の機会を作ってみましょう。

共食の場作りを目指して

マルタマフーズグループ (株)笑顔会ではフレイル予防に必要とされる栄養、身体活動、社会参加の3つの要素が整った「共食の場」づくりを行っています。

皆様の地域や職場などのコミュニティで、共食の場作りを行いたいけど、どのように進めていけばよいか迷われている方はぜひ一度お問い合わせ下さい。

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