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いつから始める? フレイル予防

2024.06.06

ここまでフレイルについて理解してもらい、フレイル予防について学んできました。最終回はいつからフレイル予防をはじめるとよいかについてお話しします。

メタボ予防からフレイル予防へギアチェンジ

2008年4月から、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に着目した特定健診が始まったことで、40歳以上のみなさんは、摂取エネルギーを抑える「メタボ対策」に取り組んでおられる方が多いのではないでしょうか。

しかし「お腹が出たらいけない」「太ってはだめ」と気にしながら年を重ねていると、食べる量が減り、筋肉量も減ってきて 体重が落ちてしまう人が多くなります。

これまでの連載でお話ししたとおり、体重の低下や筋力の低下は フレイルの原因になります。「痩せてきた」と気づいたときが、メタボ対策(生活習慣病予防)から フレイル予防へのギアチェンジのタイミングかも知れません。個人差があるため「いつから」と限定することはできませんが、体の変化を感じたら 定期健康診断や保健指導の機会に栄養指導を受けるなどして、ライフステージに適したフレイル予防を始めましょう。

※「フレイル・ロコモ克服のための医学会宣言」図5人生100年時代における健康寿命延伸のための健康増進と医療対策

働く世代もプレフレイルに要注意

フレイルは高齢者だけの課題ではありません。40・50歳代の働く世代のみなさんの中にも、フレイル予防が必要な方もおられます。

2020年に新型コロナウイルス感染症が流行したことで、働く世代でも活動量が減った人が多くなりました。生活スタイルの変化によって、食習慣の悪化やうつ傾向の増加なども見られます。こうした傾向はフレイルの芽となりかねません。

働く世代の方は、仕事や子育てなどに忙しく 自分の体を気遣うことや、自分のための時間をつくることが難しい方も多いでしょう。だからといって 何もしないでいると 気づかないうちにプレフレイル(フレイル予備軍)の兆候が表れてしまいます。早くからフレイルについて知っていただき、定期的な運動で筋肉量を維持し、食生活などの生活習慣を見直すなど、いつまでも健康で暮らすことを考えて行動しましょう。

食べる力は生きる力

※第4次食育推進基本計画 農林水産省リーフレットより一部引用

第4次食育推進基本計画では、生涯にわたって「食べる力」=「生きる力」を育むことが重要だと言われています。上の図のように、生まれたときから「食べる力」は、あなたの健康な日々を支えています。フレイル予防の3つのポイントのひとつも「栄養」です。たんぱく質を含めた栄養素を 食事でしっかり摂ることができれば、筋力の維持につながります。

食べて元気になることが、「運動」や「社会参加」に取り組む気力を支えてくれるでしょう。まずは「食べる」ことから見直してみてください。

この連載を読んでいただいて、フレイル予防を始めてみようと思っていただければ幸いです。




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